戦争と平和

 

 紛争、戦争、軍備による地球破壊

 

 古来から国家、民族、団体、個人の利益を重んじる一神教が、対立、抗争、戦争を引き起こしてきた。現代のテロ、戦争の多くは、領土問題、貧困問題などとともに、宗教対立によるテロ、戦争である。この宗教戦争が、地上の最終戦争となる危機をはらんでいる。

 現代社会では宗教的要因だけでなく、エネルギー不安や食糧不安、土地不足や水不足や民族抗争、部族抗争が原因で、地域紛争、領土紛争、武力紛争が、世界各地で起こっている。気候異常変動もそれに拍車をかけている。北の「豊かな」国々だけでなく、南の「貧しい」国々でも、軍備競争をエスカレートさせてきた。緊張を煽る財団、抗争を煽る勢力、戦争を煽る政府が暗躍して、死の商人(軍需企業)が対立国家の両方に武器を売りつけて儲けている。 

 現在もアフガニスタン、ソマリア、コンゴ、アルジェリア、マリ、スーダン、シリアなどで紛争、戦争が繰り返され、毎年、七〇万人を超える難民が新たに発生している。世界の難民、国内避難民が四二〇〇万人に達し、国連難民高等弁務官も「経費が急速に増加し、人道機関の対応に限界がきている」と窮状を訴えている。

 世界の国防支出は、二〇〇九年度の数字で言えば、アメリカが六九四一億ドルと他国を桁違いに大きく引き離して圧倒しており、これに次ぐのはイギリスの六二四億ドル、中国の五七七億ドル、そしてこれに「平和国家」を称する倭国日本が続いており、五二六億ドルと世界第四位にまでなっている。フランス、ドイツ、ロシアなどの軍事大国を上回っているのである。このなかで中国の国防支出の急増は異常としかいいようがない。

 現役総兵力(陸軍)からみれば、中国が二二八万と群を抜いており、いまだに「人民解放軍」と称している。アメリカが一五八万人、インドが一三二万人、北朝鮮が一一〇万人、さらにロシア、韓国、パキスタン、トルコ、ベトナム、ミャンマー、そして倭国日本という具合に、極東、東南アジア、南アジアに軍事大国がひしめいている。「貧しい」国々も国内に飢餓人口をかかえながら、軍拡に突き進んでいる。

 アメリカ政府による他国への武器の売却が激増している。二〇一一年において売却契約をした武器の総額が、六六三億ドル(五兆二四〇〇億円)にもなり、全世界の武器売却契約の何と七七・七%を占める。これは前年の約三倍、過去最高額となった。アメリカ政府は史上最悪の武器販売人、史上最悪の死の商人になってしまった。繰り返される無差別殺人の原因者として、アメリカのライフル協会が非難されているが、その一億倍の責任をアメリカ政府、アメリカの軍需企業が負わなければならない。

 これらの世界各国の死の商人、死の政府から大量破壊兵器(核兵器、生物化学兵器)、ミサイル、ハイテク兵器などの拡散も起こり、これらの兵器拡散による大規模のテロも心配されている。イスラム教とキリスト教、ユダヤ教の一神教教団国家同士の対立は止む気配はない。

 

 核実験、核兵器による地球破壊

 

 原子力産業は国家が戦略上必要なものとしてつくり出した巨大怪物、最後のリバイアサンである。そのために、これまで全世界で天文学的な国家予算が浪費され、天文学的な資源が蕩尽(とうじん)され、破滅的な自然破壊が引き起こされてきた。研究開発費、核燃料の確保、原子炉の生産、新型炉の開発、原子力発電所の建設、運転、核兵器の生産、核燃料の再処理、放射性廃棄物の処理、廃炉の処分……。原子力産業は、核燃料サイクルの揺り籠から墓場まで国家の援助なしにはたちゆかない。強欲な原子力産業だけでなく、強欲な私物国家も一億倍も強く非難されなければならない。倭国政府も例外ではない。

 これまで地球上で実に約二〇〇〇回もの核実験が行われている。アメリカ政府は太平洋戦争で広島、長崎への原爆投下し、一瞬にして数十万人の日本人の犠牲者、被曝者を出し、このため現在でも原爆症に苦しんでいる人がたくさんいる。そして、マーシャル諸島太平洋核実験場、ニューメキシコ州ネバダ核実験場などで、大気圏や地下における核実験を約一〇〇〇回も繰り返し、地上の大気、大陸、海洋、地下を放射線によって汚染し続け、周辺の住民を放射能の被害によって苦しめ続けている。

 旧ソ連邦もセミパラチンスク核実験場などで、約七〇〇回もの核実験を行っている。これにフランス、イギリス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮が続いている。イスラエルや南アフリカも核実験を行った疑いがもたれている。これらの国家群が地球を放射能で汚染した犯罪的集団である。今も半減期の長い核実験の人工放射能によって、人類だけでなく、あらゆる生命が脅かされている。

 世界的な核軍縮によって、核爆弾の数は約七万発から約二万発まで減少しているが、アメリカ、ロシア、フランス、中国、イギリスの核五大国に加えて、イスラエル、パキスタン、インド、北朝鮮へと核兵器は拡散し、イランへと拡散される危険性も出ている。さらにテロ集団による核爆弾の使用の心配も捨てきれない。

 冷戦が終結したと称されている現在でも、核の脅威は増大している。偶発的な核爆発、核戦争、ウラン・プルトニウムのテロへの利用、旧ソ連邦などからの核兵器・核技術の流出、老朽原発の事故、高レベル放射性廃棄物の蓄積、核燃料・使用済み核燃料・プルトニウムの輸送中の事故、劣化ウラン弾の使用……。日本も政治的に右傾化し、核武装への世論工作も強まっている。

 

 日本国平和憲法の非戦、非武装の精神を全世界へ 

 

 戦争と軍隊を放棄した崇高な平和憲法を持つ日本国こそが、率先して、軍事費、軍隊を削減し、全世界へ向かって大軍縮を実行するよう呼び掛けるべきである。紛争の解決手段として、暴力、武力、戦争の発動を禁止するよう呼び掛けるべきである。全世界において削減した軍事費、軍隊の予算、人員を地球復興隊、人類奉仕隊に再編、配分するよう提案すべきである。全世界で平和憲法の精神、平和条項が採用されるように声を大にして呼び掛ける。被曝国である日本国が率先して核兵器の即時全面廃止を声を大にして叫び続けなければならない。日中戦争時に中国大陸で生物化学兵器の製造・使用国となってしまった倭国日本が、生物化学兵器の即時全面廃止を全世界に呼び掛けるべきである。

 ところが、戦争と軍隊を放棄したはずの日本が、自衛隊という軍隊を保持し、世界第四位の軍事予算を支出し、世界第二二位の兵力を保持し、海外へ自衛隊という軍隊を約千人派兵している。この日本において憲法改正、自主憲法制定、集団的自衛権の行使、軍備拡張、武器輸出の解禁、非核三原則の放棄、核武装、徴兵制を声高に叫ぶ勢力がのしてきている。安倍極右政権は一一年ぶりに防衛費の増額を画策している。

現在、国連では「核兵器を非合法化する努力を求める声明」がまとめられ、声明発表時には賛同国が三〇カ国になったという。声明は「核使用の影響範囲は非常に広く、将来世代への脅威にもなるために、国際人道上の問題になりうる」「全ての国は核兵器を非合法化し、核兵器のない世界に到達する努力を強めなければならない」としている。このような核兵器の廃絶が世界の潮流になっている。

 ところが、驚くべきことに、広島と長崎の原爆惨禍を経験し、戦争放棄の平和憲法を持ち、「持たず、つくらず、持ちこませず」の非核三原則を基本政策とする倭国日本政府は、上記の声明に参加することを拒否している。なぜか。最大の理由は、核燃料サイクル施設を維持し、再処理で生み出されるプルトニウムで核兵器に転用可能にしておこうという国家意志が働いているのだろう。非核三原則の空洞化が強まっている。嘆かわしいことではある。この流れを変えなければならない。

 

 自衛隊の人員、予算、装備を新設の災害復興隊へ 

 

 たしかに、自衛隊法第三条にあるように、自衛隊の主たる任務は「防衛」にあり、必要に応じ「公共の秩序に当たる」と規定されている。だが、同法の第八十三条には「災害派遣」「地震防災派遣」「原子力災害派遣」について、「地震災害警戒本部長や原子力災害本部長から要請があれば、部隊等を支援のために派遣することができる」とされている。自衛隊員は、東日本大震災において、ボランティアで仕事以外のことをしていたのではない。当然の「任務」を果たしていたにすぎないのである。

だとすれば、自衛隊の撤収開始は、あまりに早すぎた。数万人規模で、五年、十年と被災地の復旧、復興にあたるべきであった。それによっても二〇万人の部隊は健在であり、「防衛」の任務に支障が出るとは思えない。

 東日本大震災があり、豪雨、竜巻、台風など、日本列島にさまざまな災害が立て続けに起こり、さらには東日本大震災の被害をはるかに上回る首都圏直下型地震、東海・東南海・南海三連動地震の危険性がひっ迫している昨今、新たに数万人規模の災害復興隊を創設することを提案する。もちろん現行の法制度や財政状況では不可能である。

 だとすれば、自衛隊法などを大幅に改正して、自衛隊の一部を専従的、専門的に災害復興にあたる数万人規模の部隊に転換し、予算も装備も施設も、その任務に振り分けるべきである。

 現在、被災地では、がれき処理や災害復旧事業は予算が確保されてはいるが、技術者不足、労働力不足、資材不足に陥っている。ここに自衛隊を改編し、復興庁傘下に置いた災害復興隊を投入すべきなのである。

 

 対立する領土と領海と領空の所有権、領有権の棚上げへ 

 

 領有権をめぐる紛争、国境線をめぐる紛争が、世界各地で起きており、いまだ解決していない問題が多い。現在、領土問題だけで一一四件も存在するという(「毎日新聞」二〇一三年一月一日)。東アジア、東南アジア、南アジア、中央・西アジアにも、東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西ヨーロッパにも、南アメリカ、北アメリカにも、アフリカにも、オセアニアにも、領土、領海、領空、島、諸島、暗礁、山、湾、州、町、行政区、地域、油田地帯などをめぐる領土紛争がある。全ての領土、領海、領空の紛争地域では、まず、すべての国家、団体、個人の所有権、領有権を棚上げにすることからはじめなければならない。

 国際司法裁判所では、原則的に紛争当事国の領有権、統治権は認めてはならない。使用権については、双方の申し立てを検討して判断できるようにする。国際司法裁判所では当事国一方の提訴によっても裁判ができるように改める。

 しかし、この国際司法裁判所の制度にも限界がある。日之本国の古い言い伝えに「海陸は万物のもの」とある。特定の人間のみが、特定の国家のみが、所有権、領有権を主張することはできない。 

 日本ならびに世界各国の国立公園、国定公園、都道府県立公園の開発は禁止し、人間の立ち入り禁止区域を作る。これらの地域のすべての所有権、領有権を棚上げにする。大自然と生き物に対して公園の大地を奉還するのもよい。

 世界各地に原則的に人間の立ち入りを禁止する自然優先区を広大な領域に設定する。これらの地域のすべての所有権、領有権を棚上げにする。大自然と生き物に対して、これらの地域を奉還するのがのぞましい。『日之本文書』「丑寅日本記」は喝破している。「カミは人間にのみに大地を与えたのではなく、万物生命のために与えたものである」と。

 

 戦争と軍備放棄の平和憲法制定を全世界で 

 

 平和憲法を持つ日本国(ひのもとこく)は、軍備を拡張したり、戦争の準備をするのではなく、みずから率先して、軍縮と軍隊の削減に努め、戦争と軍隊放棄の平和憲法を採用する国家を増やしていくことに全力を傾注すべきである。世界中のすべての軍事同盟の廃棄を求めるべきである。世界中の軍備、軍隊、基地の廃止を呼び掛けるべきである。世界各国に軍備、軍隊の全廃を求める、絶対平和主義に基づくクリルタイ平和条約の締結を呼びかけるべきである。

 日本国は率先して世界各国の軍事予算、人員、装備、施設を地球復興隊(砂漠の緑化、地球環境の保全など)、人類奉仕隊(飢餓に陥っている人々、難民の救済など)に配分することを呼び掛けるべきである。

 現在、アジアにおいて最も侵略的で弾圧的な大国である中国政府に対して、国連を通じて極東の海洋などへの侵攻を停止するよう呼び掛けるべきである。周辺諸国への軍事的圧力の停止を呼び掛けるべきである。少数民族の民族自決権を尊重するように働きかけるべきである。各国は中国政府に対する少数民族の独立運動を支持すべきである。中国人民に対するすべての弾圧を停止するよう呼び掛けるべきである。中国人民に対して、自国政府のすべての横暴を止めさせるように呼び掛けるべきである。

 北朝鮮政府に対して、ミサイル発射実験、核実験を停止し、核兵器開発を断念し、食糧問題、拉致問題の全面解決をはかるよう粘り強く呼び掛けるべきである。改革開放政策、民衆救済政策を積極的に推進するよう呼び掛けるべきである。南北の平和的統一を実現するように呼び掛けるべきである。このために各国は北朝鮮人民に対する人道援助、経済援助、食糧援助を積極的に推進すべきである。

 沖縄の軍事基地と施政権を来るべき琉球共和国へ全面的に返還し、軍事基地を世界平和推進モデル基地として再編し、そのための費用拠出を各国に呼び掛ける。琉球列島の自治独立を援助すべきである。武器も軍隊も持たずに平和外交に努めた琉球王国の偉大な伝統を世界に知らしめるべきである。

 日之本国とすべてのクリルタイは世界各地の自治独立の運動を支持する。すべての民族の自治独立を認め、隣接クリルタイは、他の勢力からの干渉を許さず、自治独立を助ける。少数民族の権利を最大限認めるべきである。

 

 自衛隊の半分を常設の、専門的な災害復興隊、地球救援隊へ再編する

 

 自衛隊の災害派遣は、阪神大震災や東日本大震災の年だけでなく、地震、津波、台風、洪水、暴風雨、竜巻き、山崩れなど、「自然災害」の多い日本列島では継起的に行われている。この三〇年間をとってみても、災害派遣の件数は、毎年、五〇〇件から九〇〇件程度になっている。延べ人員も少ない年でも数万人から多い年は二〇〇万人にもなっている。車両も多い年には延べ三〇万台近く、航空機一万台近く、艦艇も一万隻に達している。

 今後もこれらの「自然災害」は深刻化、複雑化していくことは避けられず、東日本大震災を上回る東海・南海東・南海連動地震なども想定されている。さらに、地球的な気候異常変動による海面上昇、大暴風雨、大洪水、大竜巻きなども深刻化するのは必至である。内外に派遣できる、五万人規模の常設の災害復興隊、地球救援隊が必要になってくるのである。

 防衛予算のさらに四分の一削減し、自衛隊のさらに四分の一の人員と装備を新たに創設する地球救援隊に配分する。すなわち、自衛隊の半分の人員、予算、施設、装備、基地を常設の、専門的な災害復興隊、地球救援隊へ再編する。軍需すなわち軍が必要なものを、民需に大転換しなければならない。

 一九八七年に国際緊急援助隊法が施行され、さらにその後、自衛隊法が改正されて、海外の発展途上国における大規模災害へ自衛隊の隊員が国際緊急援助隊の活動が可能となった。しかし、災害の多発化、深刻化、複雑化のために、常設の、専門的な災害復興隊、地球救援隊が必要になってきている。その呼び掛けを日本国、日之本国が率先して行わなければならない。

 

 軍隊を地球復興隊へ再編し地球自然憲章、地球自然憲法の制定へ 

 

 すべての軍需生産は民需生産に転換しなければならない。防衛予算のさらに四分の一を削減し、自衛隊のさらに四分の一の人員と装備を新たに創設する地球復興隊(砂漠の緑化、地球環境の保全など)人類奉仕隊(飢餓に陥っている人々、難民の救済など)に配分する。

 クリルタイの支持を得た日之本国は、率先して元自衛隊員からなる地球復興隊、人類奉仕隊を組織して、軍事予算、人員、装備、施設の四分の三を地球復興隊、人類奉仕隊に配分する先頭に立つ。各国の民衆に呼び掛けて、軍事予算の削減と地球復興隊への差し替えをするように各国政府、各国共同体国家に呼びかけをすべきである。日本と世界の軍事基地を廃止して、コンクリートを引きはがして、砂漠化防止、緑化演習基地などに再編する。地球復興隊、人類奉仕隊は、元自衛隊員だけではなく、新たな志願者、参加者を募集し、クリルタイ共同体国家がこれを支える。隊員はできるだけ自らも自給自足を目指す。

 全ての地球破壊を停止し、地球共同社会、地球生態系の復活を目指して、地球自然憲章、地球自然憲法へ向けての議論を開始する。地球自然憲章を提案する。人間の権利のみではなく、自然と地球生命の権利を優先する地球自然憲法を制定する。

 

 クリルタイ共同体国家は軍備、権力など国家機能の縮小へ 

 

 私物国家は巨大企業のために、巨大金融資本のために、巨大なムダ使いを造り出す。軍備、公共事業、原子力、ODA、宇宙開発……。自然と人間をいじくりまわし、資源、税金を徹底に浪費するのが私物国家の仕事である。

 私物国家の暴力は、奴隷、労働者だけでなく、自然、地球に対しても向けられている。国家は自然破壊の最大の元凶である。国家は地球食いつぶしの元凶である。国家群は天文学的な資源を吸いあげて、それを軍備などの地球という母殺しのために使っている。それなしには自己を延命させることができない。

 今、国家による地球食いつぶしの最終局面に入っている。私物国家を消滅させて、クリルタイ共同体国家が取って変われるか、あるいは地球生命が絶滅してしまうか、再生するのかの分岐点に立っている。

 人類は数十万年の間、階級、格差、競争、戦争のない原始共同体で生活していた。人類は数千年の間、連帯性、平等性、自由性、交替制の原理によって運営された共同体国家に生活していた。

 その後、特定の階級、階層、政党、勢力が自分たちのために私物化してしまう私物強欲国家による支配に変わった。これらの私物強欲国家が人類を、地球を破滅に陥れている。全ての私物国家、私的国家の機能を大幅に縮小し、各級クリルタイの意志に従う共同体国家連合に再編する。

 国際連合、世界銀行、国際原子力機関など、特定の国家、特定の国家群、巨大金融資本などの利益が優先されているすべての国際組織を解体し、必要な仕事はクリルタイやクリルタイ共同体国家で行う。特権者のための私物国家からクリルタイ共同体国家へ。私物国家は上意下達国家であるが、共同体国家は下意上達国家である。共同体国家は直接民主主義、交替制によって運営される。

 クリルタイ共同体国家は、地球クリルタイ共同社会への過渡的組織にほかならない。クリルタイ共同体国家は、軍隊、軍備、軍事基地、警察、治安組織、情報機関など、すべての権力とその付属施設を消滅させ、行政権、立法権、司法権をクリルタイに移行させることが、主たる任務である。

 旧体制の負の遺産、たとえば私物国家の借金は旧体制が責任をとるべきであり、クリルタイに基づく新体制は一切それには関知しない。国債が紙くずになっても、クリルタイは何の痛痒(つうよう)も感じない。それによって国家が銀行が、破産しても何ら痛痒を感じない。

 地上の厄介者である人間がいなくなれば、おのずから見事な地球生態系は復活する。地球は再び平和な星に変わる。地球は人間がいないほうがうまく治まる。人間が生き延びたければ、自然と地球の再生が最優先されなければならない。それをなしとげることができるのは、自然を含めた、生物を含めた[和睦][共生][平等][互恵][互助]を原理とするクリルタイとクリルタイ共同体国家のみである。

 

 地球クリルタイによる全ての国家、国境、武器、戦争の消滅へ 

 

 全ての国家、国境を解消し、国家的な障壁、民族的な排他性、宗教的な排他性、党派的な排他性を解消し、全人類の交流、融合を促す。関税、出入国手続き、入管手続きはなくなる。移動自由、移住自由である。共同体国家も解体し、地球クリルタイ共同社会に再編する。国家財政、国債等、国家にかかわる制度をすべて廃止する。

 全世界の軍備、軍隊を全廃し、軍備は廃棄せずに民生用に再利用できるように加工し直すのが望ましい。すべての軍人は武器を捨てて、クリルタイの一員に帰還する。すべての軍事基地は所有権を大自然に奉還し、その使用権は周辺住民に一任する。暴力や武力による紛争の解決を永久に停止する。すべての地球クリルタイ共同社会は、人類的規模の相互扶助、互恵互助の精神と実践によって、飢餓、紛争、貧困、差別、暴力、戦争を消滅させる。

 クリルタイ社会においては、法律という強制文書を執行する軍隊、警察、秘密警察、裁判所、検察所、刑務所、官吏などの権力制度、刑罰制度一切を廃止する。政治犯を含む犯罪者はすべて牢獄から解放され、強制や懲罰ではなく、砂漠の緑化、ダムの撤去など自主選択による矯正労働に進んで参加する。

 家畜制度、動物実験、動物園、水族館はすべて廃止され、動物への虐待、殺害は停止し、野生に無理のないようにして戻される。広大な地域を人間の立ち入り禁止地域に指定し、開発は一切禁止する。人間の手が入らない自然の生態系が復活する。人類が慎ましい生活をしていれば、おのずからなる自然は、その見事な地球生態系をおのずから回復する。

 

 シュメール人は五千年にわたって世界に平和の歴史を刻んできた

 

 五王制が五千年の歴史がある、と江戸の末期の寛政年間(一八世紀末)に書かれた 『日之本文書』がいうのは、シュメールの都市国家から数えてのことであろう。シュメール人が都市国家を形成したのは、紀元前三四〇〇年頃であり、年代的に大きな矛盾はない。耶馬台国が加賀に白山王国として形成されたのは、紀元前一千年頃で、荒覇吐王国が建国されたのは、紀元前七世紀のことである。倭国の建国よりはるか昔のことである。

 阿毎族の祖先であるシュメール人が、祖国を滅ぼされて世界各地に分散したのは、紀元前二〇〇〇年頃である。彼らがスキタイの民と混血しつつ、馬を自由に操ることができるようになり、ステップ・シルクロードを通って、北回りで中国大陸を経由して日本海側から日本列島に上陸した。さらに耶馬台族として勢力を拡大し、耶馬台国を北陸から近畿へと広げ、やがて耶靡堆(やまと)国を創る。『日之本文書』「北鑑 第四十九巻ノ四」は、このように主張している。

 「はるかなる古代シュメールの国から、アラハバキ神が渡来してきた道しるべをたどると、シュメールの国に戦乱が相次ぎ、民は故地を放棄し、東北に神の常住する安住の栄えた国があると巫女のお告げに、こぞってシュメールの民は、移動して戦いを脱した。

 トルコ、スキタイを越え、アルタイの大平原を東北に横断し、モンゴルからさらに黒竜江を降り、サガリイン(樺太)に至り、渡島(北海道)を経て東日流に至る。シュメール民族の永住地こそ、日の国、東日流において永住を定めた。すでに幾代かにわたって代を重ね、途中にモンゴルの民との混血があった。シュメールの民は、先住の民と睦み、外からの侵略がなく、この丑寅日本国において、泰平と神の救済を得た。海の幸、山の幸、まさに故地の巫女が告げた神の常住する安住地である。アラハバキ神は、かくして渡来民族の心に宿って、丑寅日本国に渡来してきたものであると知るべきである」

 

  平和を愛するシュメール人は紛争を嫌って世界に四散した

 

「北鑑 第十八巻」では、シュメールのカルディアの民(シュメール人のこと。彼らはカルディア地方に住んでいたので、こう呼ばれた)ついて述べている。

「カルディアの民は農民であり、チグリス、ユーフラテス河のほとりに村を作って生活していた。古代から宇宙に神を求道し、天運を究め、高い知識に達した。泰平を重んじる民であったが、この地が豊かであったために、四辺の民族が競って領土を侵犯した。そのためにアルタイ、天竺、中国、ペルシア、トルコに四散した。

 アルタイに避難した民は、地元民と融合し、スキタイの民としてモンゴルに新天地を求め、さらにユーラシア大陸の東北にある黒竜江の流れに下り、わが国に落ち着くことになる。この民によって伝えられた語部(かたりべ)文字、暦(こよみ)のこと、農耕にまつわる教えは多い。古代にこのような先祖の渡来によって成立し、わが丑寅日本国が創始されたことを知るべきである」

 シュメール人の原郷として挙げられる中央アジアからは、コーカサス、バイカル湖、黒竜江、沿海州を経てリマン海流に乗り、津軽へというルートも指摘されている。『日之本文書』は、この北方のルートを強調している。彼ら自身が北方経由の民、北方民族との混血であったからであろう。

 『日之本文書』で語られる白山信仰渡来ルートは、シュメール系の阿毎氏の渡来ルートと重なるだろう。なぜならば阿毎氏が、白山信仰を日本に持ち込んだからである。白山信仰が生まれたとされる中国秦嶺の太白山―渭河(いが)・黄河―長安―凾谷関(かんこくかん)―汾河(ふんが)―白河―蒙古―遼寧(りょうねい)―安東(アントン)―鴨緑江(おうりょくこう)―白頭山―太白山―三陟(サムチョク 大韓民国江原道南部にある都市)―日本海―加賀への壮大なルートが具体的に語られている。この陸のシルクロード、朝鮮半島、日本海ルートは、当時は日本列島の勝手口ではなく、むしろ表玄関であった。

 

 シュメール系阿毎族が陸と海のシルクロードを通って日本列島に上陸した

 

 シュメール系阿毎族は、日本では安曇(あずみ)族と呼ばれ、安住、安墨、阿曇とも表記され、さらにそこから大海氏、海部氏、尾張氏、宗像(むなかた)氏、住吉氏、阿部(安倍)氏、加茂(賀茂)氏、津守氏などが分かれた。彼らは、日本列島各地に祭祀遺跡、金属加工植民地を作り、太陽信仰、巨石信仰を残し、船団、水軍を組織し、安曇、安心院(あじむ)、宗像、尾張、住吉地名などを残したと考えられる。

シュメール人は、幾つかのルートを通って、何度かの混血を経て、日本列島に到達したようである。まず、アルタイで混血、スキタイの民として、ステップ・シルクロード、黒竜江を通り、北海道、津軽、日本海一帯に広がったルートがあるだろう。

 シュメール人はまた、メソポタミア、南アラビアから海のルートで、インド、インドシナから中国沿岸を通り、これらの地域で苗族と混血、阿毎(海人)族となって、琉球列島、九州一帯から近畿、坂東、日高見へ進んだルートをたどったであろう。安曇系統の海人族で、このルートでアラバキ信仰、綿津見(わだつみ)信仰が生まれたのだろうか。彼らは筑前、肥後、豊後(ぶんご)、阿波、淡路、河内、信濃などに広がった。

 さらに、シュメール人は、メソポタミアからインドのモヘンジョダロなどを経て、中央アジアのホータンからオアシス・シルクロードを通って、中国で苗族などと混血、阿毎族となって、北九州や日本海沿岸から近畿、坂東、日高見へ進んだルートをたどったであろう。彼らは幾つものルートを通って日本列島へ上陸し、日本列島先住民と混血した。したがって、大部分の日本人にはシュメール人の血統が入っているのであり、日本人はまた日之本の民なのである。

 

 世界には軍備も軍隊も持たずに平和を維持した国々が存在する

 

 今から四〇〇〇年以上前、シュメールの都市国家は、名君グデア王の時代、盟約と友好政策によって、軍備も軍隊を持たずに平和を維持した。このシュメール人は、平和の精神を持って世界中に広まった。倭国成立の前に日本列島に存在した日之本国もこの流れにある国家である。シュメール人の国、日之本の国は戦争を何よりも嫌い、戦争が起きそうになれば、一族で平和の地を求めて移動して歩いた。

 クリルタイ国家であるモンゴル帝国も実は、モンゴル民族と日之本国の流れである平泉王国から亡命した人々によって建国された国であった。この事実についても『日之本文書』は詳しく展開している。奥州平泉王国は、東日流安東王国と共同で、ユーラシア大陸と交易、交流を積極的に行っていた。

 日本列島に存在したクリルタイ国家は、耶馬台王国、高志王国、白山王国、日高見国、安倍王国、平泉王国、安東王国、秋田王国と続いてきた。福島県三春町にあった秋田氏の三春藩も、クリルタイの精神を受け継いできた人々であったのである。三春町には日之本国の色彩が色濃く残って居る(自力出版『東日本大震災と「日之本文書」福島県三春町・相馬市・南相馬市取材日記』参照)。このように非戦、非武装の国は空想ではなく、現実として存在してきた。

 ナポレオンの時代、琉球国は軍備も軍隊も持たずに数百年の間、存在し、通商によって繁栄した。ナポレオンは琉球諸島の周辺を航海したイギリスの艦長から「武器のない島、琉球王国」の話しを聞いて「武器がなくてどうやって戦争するのか」といって、ついぞこの話を信用しなかったという。琉球列島の民にも、南方の海のシルクロードを経由したシュメール系の血脈が入っているだろう。この珠玉の平和な島々を戦場の島、基地の島にしてしまったのは、どこの犯罪国家なのか。

 現代においても、人類は国際紛争を戦争ではなく、平和的に解決しようと努力してきた。第一次世界大戦後の一九二八年、諸国間で「国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄する」というケロッグ・ブリアン不戦条約が締結されている。

 一九四五年の国連憲章は、「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」としている。

 一九四七年に施行された日本国憲法は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と宣言した。

 中米のコスタリカは一九四九年、第一二条に「常設的機関としての軍隊は禁止する」とする平和憲法を制定し、八〇年代には積極的・永世・非武装中立を宣言した。

一九九九年にオランダで開催された国際平和市民会議で採択された「公正な世界秩序のための一〇の基本原則」第一項目には「各国議会は、日本の憲法第九条のように、その政府が戦争をすることを禁止した決議を採択すべきである」とうたった。